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Candy Boy 7周年公演『カヌレに恋した王様』〜重罪〜

2022.09.24

二度目の観賞です

Candy Boy 7周年公演『カヌレに恋した王様』を観賞してきました。
Candy Boyは、前回のカフェ公演を観たのが最初で、今回が二度目です。
さらに今回はステージでの公演ということで、また違った楽しみがありました。

場所はクラブeX(エックス)というところで、品川プリンスホテルの中にあります。
見覚えあるなと思ったら、先日、『青春鉄道』を観に行ったのとほぼ同じ場所でした。

Candy Boyを観た方ならわかると思いますが、観客の女性たちはみんなここ一番のおしゃれ服でやってきます。ヘアメイクもばっちりで、前回Tシャツで行った私は、なんて場違いなんだろうと後悔しました。もっと気合いを入れて行くべきだった。生半可な気持ちでCandy Boyの公演に行くべきではないのだと気づいたのです。

そこで今回は、黒いワンピースを着ていきました。全然一張羅ではありませんが、自分なりに恥ずかしくないようにフォーマルな装いにしたつもりです。
が、結果的にはこれでもまだ全然足りませんでした。

ステージでの公演ということで、前回以上にみんな気合いが入っていたのです。よそ行きワンピースプラスαみたいな、ちょっとしたドレスと言っても過言ではない方々がたくさんいて、びっくりしました。TPOをもっと理解すべきでした。

いただいたカヌレ。

ヨーロッパを舞台にしたファンタジー作品

さて、会場に入ると、受け付けではお花とカヌレが配られます。
お花は観客席の後ろにある花瓶に挿してくれという指示です。きっと何かしら演出に使われるのでしょう。

クラブeXは、円形ステージ。今回は前方後円墳スタイルになっていました。
客席はステージをぐるっと囲むように設置されています。私は前方後円墳の下手側の席でした。観客席はほぼ満員で、恐らく300人くらい入っていたと思います。

今回のお話しは、中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジーな物語です。

フランスとスペインの間に位置する小国、アンドレ王国。大国と渡り合ってきたのは、この国に金を生み出すロバ「ルチル」がいたから。ところが、ルチルを狙って戦争が勃発。
アンドレ王国の王、フランソワは、この戦争で妻のジョゼフィーヌを失ってしまいます。
失意のフランソワを救うため、従者たちはパーティーを開催しますが、フランソワは浮かない顔。ところが、ある一枚の絵を見たフランソワは、そこに描かれた女性に一目惚れ。「この女性を探し出してほしい!」と従者たちに命令するのです。
しかし絵の女性は存在しないため、従者たちは、王様が諦めるよう、あの手この手でごまかします。
その様子を苦々しく見ていたのが、宮廷料理人のピノ。フランソワの幼馴染だったピノは、突然ルチルを殺して逃走。
怒ったフランソワは、ピノを逃さないよう城を封鎖し、その日を境に国からは花や木々が消え、冬のような寒さが続くのです。

なぜピノはルチルを殺したのか? 絵画の女性は一体誰なのか? アンドレ王国に春は戻ってくるのか?

……というのが大まかなストーリー。
いろんな要素が含まれていますが、話が進んでいくにつれ、これらの謎が少しずつ解き明かされていきます。伏線もあったりで、引き込まれる内容でした。
壮大な物語ですが、ひとつの結末に集約されていくのは、見事だったと思います。
7人のキャストさんそれぞれに見せ場もあり、これならファンも納得でしょう。

予想通り、観客が挿したお花は、中盤ストーリーの中でちゃんと回収されました(ドレスに使うお花…とかだったような)。
配られたカヌレも、「ピノが作ったカヌレ」という設定で、“お城に来たプリンセス=観客”に配ったという設定です。観客を喜ばせる仕掛けも嬉しいですね。私達はプリンセスなのです。

で、気になるのが、黄金を生み出すロバのルチルだと思います。
え、殺されちゃったの? と衝撃でした。
フランス王国とスペイン王国が隆盛を極めていた時期というと、恐らく1600年〜1700年前半くらいだと思われます。
フランスでは、ルイ14世とか、ルイ15世が、この世の春を謳歌していた時期です。
その時代に、国の金脈とも言えるルチルを殺すということは、100回処刑されても足りないくらいの重罪のはず。
『イノサン』(坂本眞一)でも、国王に刃物を突き立てたダミアンが、八つ裂き刑にされていました。ピノも、これくらいの刑がくだされる可能性が大いにあったはずです。

このままではピノが八つ裂きにされてしまう……と、ハラハラしながら見ていましたが、もちろんそんなことはありません。国王の心を救った者として特別に温情をかけてもらい、命を救われます。
また、ルチルもじつは生きていて、元気に駆け回っていたという後日談がありました。
ホッとしました。
こうした観客が気になるちょっとした小ネタも、全部解き明かしてくれたので、優しいシナリオだなと思いました。

7周年の思いがこみ上げる

カフェ公演と違って、ステージまでの距離があったため、キャストさんたちを間近で見ることはできませんでしたが、大きなステージでのパフォーマンスは、やはり迫力がありました。

また、無事に7周年を迎えられたということで、最後のスピーチでは感極まって涙する場面も。もらい泣きする観客たちが印象的でした。愛されてますね。

お芝居に歌にダンスに、盛りだくさんのステージはあっという間に終わります。しかし、私にとっての本番は、このあとにやってきます。最後、キャストの皆さんが観客をお見送りをしてくれるのです。

前回公演では、緊張して上手く感動を伝えられず、おおいに後悔しました。
そこで今回は、ステージ終盤から誰に何を言うか考え、一人ひとりの役名も全部頭に入れて準備は万端。
いざ、お見送りだ! となった瞬間、頭が真っ白になりました。キャストさんがどういう順番で立っているかまで、考えていなかったからです。
その結果、初手で躓きます。一人目に何も言えず終了したことで、二人目からもグダグダになり、結局考えたことがまったく言えずに終わりました。前回同様、悔いの残る終わり方でした。

次回はうまく言葉が出るように、落ち着いてお見送りに挑みたいと思います。

★予習ポイント
・中野京子さんの『怖い絵』シリーズを読んで、中世ヨーロッパの雰囲気を掴む

★復習ポイント
・『イノサン』を読んでダミアンの最期を知る

PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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